職際拡大の美名のもとに
弁護士のアウトリーチの危険性は無視されるべきではないと思う。: 弁護士のため息
弁護士が社会貢献を考える上で、
社会福祉系の手助けをすることは有用であろう。
しかし実際のところ、収入という面でまったく向いていない分野である。
しかも上記ブログの言うように、金銭面以外でもリスクが大きい分野である。
私は新人であってまだ危険を感じたことはないが、
相談者・相手方のリスクは、ゆくゆくは避けて通れないと思っている。
金銭・安全の面から公共サービスにゆだねるべき分野にもかかわらず、
弁護士が関わることを安易に美化していくのは危険であろう。
弁護士の数を増やすことでサービスが行き渡る、という美しいイメージと、
実際に携わることの難しさ(金銭面含めて)の間には、
まったく持って埋めがたい隔絶が存することは、
弁護士という職業に就いてみて改めて実感するところが大きい。
しかし、一般の人々にはおそらく前者しか伝わっていないところだろう。
なぜそうなっているのか。
マスコミの仕事が、理想だけ大上段に振りかざしていればいいために、理想しか伝わらないためなのだろうか。
一部では、弁護士という在野で口うるさい勢力の弱体化もねらいではないか、なんて事も耳にするが、
そのような陰謀論にも与したくなってしまう誘惑にかられる。