桃色学園都市宣言(仮)

♪ BARBEE BOYS 「ごめんなさい」

夕凪の街桜の国

夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)

夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)

ずいぶん前に買ったのだが、題材(広島の原爆)の重さから読むことを敬遠していた。
日曜日に本棚を整理していたら発見したので、寝る前に読むことに。
・・・やはり読後感は重かった。

構成としては2つの話に分けられている。
前半の話は昭和30年くらいの話だったので、あれっと思いながら読んでいたら、途中からもろに原爆の話になっていった。
生き残った者に焦点を当てつつ、その者に語らせる、原爆の恐ろしさがとても身にしみる描写などが印象に残る。
私が読んでいる途中は、結末が想像できなかった分、とてもショックな結末であった。

後半の話は、現代(2004年:刊行当時)が舞台になっているのだが、途中から前半の話とのつながりが分かるような展開になっていて、
ほのぼのしつつ、重いテーマを問いかけてくる。

このように、時代を超えてつながっている2つの話からできているという単行本の構成は、とてもうまくできていると思った。
また、押しつけがましいメッセージというものもなく、それでいて読み手に伝わってくる繊細な心理描写などは、純粋に優れたマンガ作品として評価できる。

とはいえ、読み終わっても話が頭に残り、色々なことを考えていたら、全く眠れなくなってしまった。
おりしも原子力の恐ろしさに直面している今、改めて読んでみるとよいだろう。

ちなみにアマゾンのレビューはもっと伝わりやすい文章がたくさんありますので読んでみてください。