桃色学園都市宣言(仮)

♪ BARBEE BOYS 「ごめんなさい」

保釈請求却下

(ここまでのストーリー)
被害者の方が示談に応じてくださったので、意気揚々と保釈請求を出した。
が、検察官は前科を理由に消極的な姿勢。
それでも・・・、と裁判官面接に挑んだのだが。

裁判官は、条文の要件とは異なる部分で、保釈は難しいとおっしゃった。
たしかに私の作成した保釈請求書は、被告人側からの主張がメインとなっていた。
それとは異なる視点から、保釈は無理と言われてしまったわけである。
弁護人としてはここで、あくまでも無罪推定の原則から条文一本槍で主張していくこともできたはずである。
しかし、裁判官のおっしゃった理由にも一理あると感じてしまったため、強く保釈の必要性を弁ずることができなかった。

そして却下の知らせがきた。
裁判官の主張に強く反論できなかった自分は、結局実務の取り扱いを追認するような形になってしまった。
本来反省の場でも何でもない勾留を、反省の場として取り扱うことを追認したことになる。
実際、被告人にことの重大さがいまいち感じられない態度はあった。
しかし、さらに勾留され続けることで、仕事などを失う結果となる。
それによって自暴自棄になり、反省どころではない状態になるかもしれない。

あらためて、弁護士という職業に人の人生がかかっていることを感じられた。
日々切磋琢磨しなければならないと思う。